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2017.05.15

「名古屋トヨペット檀渓通店」竣工 / 近代建築2017年4月号に掲載

〈建築概要〉
敷地面積:1,630.98㎡
建築面積:1,290.78㎡
延床面積:4,769.24㎡
階   数:地下1階、地上3階
最高高さ:21.00m
構   造:鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造

外観パース  
                                
名古屋トヨペット檀渓通店新築工事

名古屋トヨペット株式会社は、自動車販売やレンタカー・リース、住宅事業、マリン事業といった幅広い事業を展開するNTPグループの中心として、トヨタ販売店67店舗、レクサス販売店4店舗を展開する自動車ディーラーです。「NTP」は「Nice To People-人に素敵を」の略で、お客様や地域社会にたくさんの「素敵」をお届けすることを企業姿勢とし、「町一番のくるま屋」を目指して営業活動を行っています。
私ども丹下都市建築設計は、名古屋トヨペット株式会社が旗艦店として位置付けた檀渓通店の設計を拝命しました。計画にあたっては、名古屋トヨペット株式会社が掲げる、「町一番のくるま屋」の具現化を目指し、設計開始時より密に打合せを重ね、理念の本質を見極め、試行錯誤を繰り返し行いました。このようにしてつくり上げた檀渓通店の計画は、「カーショールームとは、車を購入したい人のみが来る場所」、という概念を取り払った、「多様な人々が、様々なレベルで交流することが可能なくるま屋」という、これまでに無い施設を目指した計画です。
本施設の設計及び工事監理を株式会社丹下都市建築設計が担当。施工はトヨタホーム名古屋株式会社と清水建設株式会社が担当し、竣工致しました。

《名古屋トヨペット檀渓通店での試み》
〈1つの街の様なくるま屋〉
ショールームには、ヨーロッパの街路や日本の参道に見ることの出来る空間構成を与えた計画とします。道路や参道といった外部空間を軸とし、その道路沿いにカフェテラスや茶屋を感じさせる半外部的な空間を作り、軽く座る椅子を配置します。さらにその奥には、落ち着いた内部的な空間を作り、ゆったりと寛げるソファを配置することで空間にヒエラルキーを与え、利用者がその時々の気分で空間を選択できる計画としました。こうして作られた街の道路に、颯爽と走る、本来あるべき姿を表現した展示車を配置することが可能になります

〈人の交流空間〉
本施設は、自動車を見に来るお客様のみを迎い入れるショールームではなく、人がふらっと立寄りお茶や会話を楽しむ空間をもち、ヨガや生け花、ダンス教室等、カルチャースクールの場を地域社会に提供する空間も備えています。こうした旧来のショールームになかった機能・空間は、其々の目的を持った人々によって日常的に利用され、目的を持っていなかった人、違う目的を持った人との交流を促し、街の新しいコミュニティ施設となる事を期待します。

〈街のシンボルとなる施設を目指す〉
建物の外観は、女性にも入りやすい施設とする為、美しく柔らかな曲線デザインとしました。そのデザインの中にトヨタ自動車の名車で知られる「2000GT」のボディラインをモチーフとした美しい力強さと、スピード感や気流をイメージイメージさせる繊細さを取り入れました。また、壁面緑化やソーラーパネルを融合し、形態だけでなく環境にも配慮したデザインとすることで将来的に街のシンボルとなることを目指しました。

〈挾土秀平氏との初めてのコラボレーション〉
挾土秀平氏は日本を代表する左官職人(左官アーティスト)であり、最近ではNHK大河ドラマ「真田丸」の題字を担当したことでも話題になっています。挾土秀平氏と丹下都市建築設計とは今回が初めてのコラボレーションとなります。左官アートを担当する挾土秀平氏と、建築を担当する丹下都市建築設計は、ショールーム内の60mを超える壁一面を媒介とし、左官アートと建築が互いに質を高め合うショールーム空間とするため、打合せを重ね、幾度も挾土氏のアトリエを訪れその情熱に触れ、試作品を交えながら大いに検討致しました。優しく温かみのあるコミュニティ空間に実現する、左官アートと建築のハーモニーを、是非ご堪能頂きたいと思います。

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